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もっとも純潔でない小説と同じくらいにみだらな貞潔な恋愛小説。
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せっぱつまった「いま」
未来との関係で現在を位置づけるという生き方はもうできないという感情が、あるいはここでなにかをしなければもう全部終わってしまうという、そんなせっぱつまった感情が、「おんな」としての女性の一生の入り口と出口のところで滲みだしている。
女子高生が「なにか、もう済んだ感じ」「ぜんぶ見えちゃってる」「心がツルンとして引っかかるものがない」とつぶやけば、初老の妻たちはおそらく「なんか、ものにならなかった」「一度も燃えることがなかった」「このまま一生終えるんだろうなあ」とためいきを漏らす。そんな光景が、ふと目に浮かぶ。ここで、どんな無茶なことをしても、時間をくい止めなければ。時間が、いやじぶん自身が、じぶんからどんどん漏れ、流れ去ってゆく……それをくい止めなければ、という思いつめた感情は、ある日突然一家の主が行方不明になるという、かつての「人間蒸発」と同じようにせっぱつまっている。
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fkgw:
秋の日
主よ、すでに秋です 夏はじつに偉大でした
日時計の上に あなたのかげをおいてください
そして野に 風を放ってください
果樹にのこっている木の実が よくみのるよう命じてください
その木の実らになお あたたかい南風の二日をおあたえください
その木の実らが十分に熟して あまやかさがやがてよいぶどう酒に醸されますよう
秋です
いま家なき者はもはや 家を建てることができません
いま孤独なひとはずっと孤独のままで
夜もねむらず 本を読み 長い手紙を書き
並木道を 心おちつかず あちこちとさまようでしょう
木の葉ちるなかで(リルケ / 藤原定訳)
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